メルヒェンの可能性2 語りの楽しさ奥深さ
「メルヒェンの可能性2 語りの楽しさ奥深さ」
去る2月5日,35周年記念館小講堂において,学科主催の講演会「語りの楽しさ奥深さ」が開催されました。講師には,筑波大学名誉教授で小澤昔ばなし研究所を主宰なさっている小澤俊夫先生と,白百合女子大学講師で「まめの木文庫」を中心に長年にわたって昔話の語りを実践なさっている藤井いづみ先生を予定しておりましたが,小澤先生がご病気のため,急遽藤井先生に語りと解説の両方をお願いすることになりました。
当日は平日の午後という時間帯でしたが,100名を越える聴衆が詰めかけました。藤井先生は,日本の昔話(「見るなの蔵」,「馬方やまんば」など),ドイツのグリム・メルヒェン(「おいしいおかゆ(Süße Brei)」など)を語り,さらには遊び歌などをなさりながら,昔話を「読み聞かせる」のではなく,「語り聞かせる」ことの意義をお話になりました。
お話と講演の後の質疑応答でも,活発な意見交換がなされ,とても有意義な講演会でした。お話の後では,小講堂ロビーでのお茶会もあり,こちらにも多くの方に参加していただきました。
藤井先生には,急なことながら昔話の語りの実践とその理論的な解説もお引き受けいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。また,小澤先生のご健康をお祈りいたします。
また,藤井先生のご著書,『子どもにとどく語りを』(小澤昔ばなし研究所)は,昨年12月に出版されたばかりです。「語り」の意味を考え,実践のありかたを教えてくれる示唆に富んだ書物です。大学のDUOにも入っています。ぜひ読んでみてください。