2010年6月29日火曜日

~DAAD(ドイツ学術交流会)所長フィンケン氏講演会 報告~

講演中のフィンケン所長

 6月23日(水)に、DAAD(ドイツ学術交流会)のホルガー・フィンケン所長が「ドイツの大学の魅力」というテーマで講演をしてくださいました。参加学生は200名ほど、教員も多数参加していました。ホルガー所長には、ドイツの大学の魅力をパワーポイントを使いながら説明していただき、特に「エクセレンス・ユニヴァーシティー」というドイツの新たな取り組みが紹介に中心に置かれていました。
 続いて同じDAADの大山美由紀さんが、ドイツ留学の実際的な準備などについて説明がありました。盛んな質疑応答からもわかるように、これからドイツで学ぼうとする学生にとって、興味深い内容でした。

Deutsche Eckeで学生と

 講演に先立って、フィンケン所長と梶山学長および柿沼学部長との昼食会があり、今後の協力関係について話し合われました。また、講演の後も、ICZ(InternationalCommunication Zone)にあるDeutscheEckeを見学、学生と話をしたり、獨協ギャラリーの見学、さらには国際交流センターを訪問して、原センター長と懇談したりと、積極的に獨協を知ろうとなさっていました。

国際交流センターにて、原センター長(前左)と。
後ろは左からDAADのヘックマンさんと大山さん、Werner教授、
矢羽々、山本教授。


T.Y.

ドイツ語学科HPのフォトギャラリーから講演会の様子の写真を見ることができます。

2010年6月24日木曜日

授業紹介: German Studies in English (英語I)

ドイツ語学科の学生は4年間の 大学生活の中で集中的に学ぶ言語はもちろんドイツ語ですが、英語も学びます。英語はゲルマン系の言語ですので、ドイツ語と同時に学ぶと両言語の共通点と相 違点を見ることができ、興味深くて楽しいです。それに、卒業後就職する際にバイリンガルであることは有利ですが、トライリンガルであればさらに有利になり ます。

英語能力を伸ばすのに、全学共 通カリキュラムの中の英語リーディングや英語リスニングといった科目をとりますが、2010年からドイツ語学科の学生の みが受けられる「German Studies in English (英語I)」という科目が新設されました。この授業の一つの目的は英語能力の向上ですが、もう一つの目 的はドイツ語圏についての知識を身につけることです。この二つの目的を達するために、ドイツ語圏の国々の様々なテーマ(文化、社会、芸術など)について英 語で学びます。雑誌や新聞の記事を読んだりドイツ国営放送のドイチェ・ヴェレのニュース番組を見たりすることを通して、英語のリーディング・リス ニング能力を伸ばしながら、ドイツ語圏について学びます。そして、学生同士のディスカッション及び学生によるポスターセッションと発表をすることによっ て、スピーキング能力も磨きます。先日春学期の第一回目のポスターセッションが行われ、学生は3,4人のグループで調べたテーマについてポスターを作り、 積極的に英語で発表しました(写真)。

ドイツ語圏について英語で学ぶ とドイツ語と英語が頭の中で混ざって、混乱すると思われるかもしれませんが、それほど心配は要りません。ドイツ語圏についての知識向上、英語力の向上を同 時にしたい、つまり一石二鳥を狙いたい学生は是非German Studies in Englishを受講してください!

MC


2010年6月18日金曜日

シャルロート先生にインタビュー

―まずお名前をお願いします。
「ヨアヒム・シャルロート(Joachim Scharloth)です。」

―失礼でなければお歳を聞いてもいいですか?
「38歳です。秘密ですよ。(笑)」

―出身はどこですか?

「ドイツです。しかし、スイスやオーストリアなどにも住んでいました。」

―ご家族は?
「妻と娘が一人で、猫はいません。(笑)妻と娘はとても猫が好きなんですけどね、僕が猫アレルギーを持っているので。」

―それは残念ですね。それでは次に、趣味はなんでしょうか?
「クラリネットを吹くことや、サイクリングですかね。あと、パソコンのプログラムを作ったりもします。」

―娘さんとは遊ばれないのですか?
「もちろん可愛い娘と毎日5時間くらい遊びますよ。(笑)まぁ5時間というのは冗談ですけど、日によって違いますが娘とはたくさん遊びます。僕が変な顔をすると、娘はとっても喜ぶんですよ。」

―娘さんが大好きなんですね。ところで日本語がお上手ですが、どこで勉強なさったのですか?
「いや、そんなに上手くはありません。(苦笑)日本語はドイツにいる時に独学しました。いつ日本語を本当に学ぶのですか、という質問の方が良いのではないですか?(笑)」

―いやいや(笑)ちなみに日本語で好きな言葉はありますか?
「なんだろう・・・。『なるほど』かなぁ?」

―深いですね。ところで、最近興味があることはありますか?
「なるほど。(笑)難しい質問だなぁ。社会音声学ですかね。あとはコーパス言語学かな。」

―専門分野はなんでしょうか?
「社会言語学と歴史、文化社会学ですね。」

―今受け持っている授業はなんですか?
「二年生の総合、会話、中級ドイツ語リーディングとドイツ語講読(社会)、ドイツ歴史文化研究と演習になります。」

―簡単に今までの経歴を教えてください。
「大学へ入る前に、兵役の代わりに1年間病院で働きました。その後マインツ大学に入学し、ハイデルベルク大学で博士号を取っています。卒業後はチューリッヒ大学、フライブルク大学で教授として勤務していました。ちなみに、教授資格申請論文はチューリッヒ大学で書きました。」

―なぜ日本へ、獨協大学へ来られたのですか?

「もちろん日本、東京が好きだからです。日本の大学のシステムもとても気に入っていますし、獨協大学はドイツ語教育に力を入れていますからね。」

―日本のどんなところが好きですか?
「満員電車かな。ご近所付き合いも楽しいですよ。あと梅雨が好きですね。(笑)実は僕はまだ梅雨という時期を経験したことがないので楽しみです。」

―梅雨ですか(笑)なかなか興味深いですね。それでは、獨協大学のどんなところが好きですか?
「きちんと整備運営されているし、ドイツ語教育の長い歴史があるのが良いですね。ドイツ語学科の規模が大きく、優秀な同僚に恵まれているのも嬉しいですね。」

―ちなみに獨協生はどうでしょう?
「日本人の学生はとても受身だと言われていますけど、全く違いましたね。とても積極的で嬉しく思っています。」

―ありがとうございます。それでは獨協大学を色に例えるなら何色でしょう?
「おもしろい質問だね。うーん・・・。洋服に例えてもいいかな?」

―もちろんいいですよ。
「それじゃあ、あたたかいコートですかね。」

―それはまたなぜでしょう?
「教育の環境がきちんと整っているのが、あたたかく守られている感じと似ているからかなぁ。」

―これもまた深いですね。それでは次の質問です。今までに様々な国に住んでいらしたとおっしゃっておられましたが、それぞれの国の教育や学生のモチベーションといったものに違いはありましたか?
「違いはなかったと思います。本来そのような違いはあるべきではないと考えているので。しかし、もしあるとするならば、それは個人個人のモチベーションが影響していると思います。何にしても学問というものは、自分から積極的に学ばなければ何も起きないと思いますから。」

―肝に銘じておきます(苦笑)では次に、今後の目標などがありましたらお聞かせください。
「きちんとした、綺麗な日本語を話せるようになりたいです。あとは、学生がきちんとした綺麗なドイツ語を話せるようになってくれることかな。」

―頑張ってください!それでは最後に何か一言お願いします。

「キャンパスで見かけたら声をかけてください。どうぞよろしくお願いします!」

(インタビュー&和訳:本学科ドイツ語既習クラス2年生)

他人の人生―パトリック・ハインリヒの今。


 他の人と同じように、パトリック・ハインリヒはさまざまな側面を持つ人間です。幸いにもパトリック・ハインリヒに関するこのブログの記事は自分で書くので、彼はここで口を極めて褒めちぎられるしかなく、良からぬ側面は公表されません。ここまではこれでいいとしましょう。

 ところで、私はプファルツ出身で、それも良いことであります。とりわけ、プファルツのお陰で私は、方言を喋れるという恩恵を被っています。方言はいつでも良いものです。それに私は若いころから多言語を用いています。私の母はフランス人で、彼女は今アメリカに住んでいます。私の父はドイツ人で、今はフランスに住んでいます。私の姉妹はアメリカ人で、私の妻はイタリア人、そして私の息子は日本人です。私の親友は沖縄の人うちなーんちゅ。私の甥はメキシコ人。皆さんが信じようが信じまいが、これはすべて真実なのです。私たちはグローバルな世界に暮らし、それは特に私に当てはまるのです。

 国際化やグローバル化が言語にどのように作用するかということは、研究者たる私の大きな関心事です。私はとても秩序を愛する人間ですから、その点で特に言語の改革に興味があります。私はこのテーマについてすでにずっと以前から取り組んでいるので、私は皆さんに言語の未来について少しだけならこっそり教えることもできます。未来には言語的なことに関してはより無秩序になるでしょうが、しかし“無秩序”は秩序の特殊な形にすぎないのです。無秩序の中に秩序を認めてしまうと、それはまったく“無秩序”ではないように思われます。私の研究において、そして私の人生においての共通の座右の銘は、“Everything you know is wrong”であります。言い換えれば、何事からも常に新たなパースペクティブを得ることができるのです。私はこのことを常に仕事の中で、そして私の生活の中で実行に移すことを心掛けています。定まった確かな事柄ばかりに囲まれているわけではないことは、とても元気が出ることだと私は思います。すべてが素晴らしく聴こえるでしょう?考えてもみてください、これは全て、パトリック・ハインリヒが書いたことなんです。皆さんが知っていることは全て、間違っている可能性があるということを忘れないで頂きたい。でもそれは正しいという可能性もあるのです。

 そうそう、私の趣味はマラソン、読書、ビールを飲むこと、そしてカラオケを歌うことかな?逆に、満員電車は大嫌いですし(日本)、ザウアークラウト(ドイツ)も嫌いです。それはそうと、皆さんは私の同僚であるシャルロート氏をもう御存知でしょうか?

(和訳:T.T) 

2010年6月14日月曜日

駐日ドイツ連邦共和国大使を訪ねて


 去る4月16日、駐日ドイツ連邦共和国大使シュタンツェル博士ご夫妻のお招きで、日本国内の大学・大学院でドイツ学(Germanistik)関連の学術研究に従事する学生が集う懇親会(Gartenfest)に出席して参りました。会場は東京都港区のドイツ連邦共和国大使公邸でした。関係の研究に励む人々の多くの熱気が会場一杯を包みました。
 大使夫妻の挨拶で開宴された会は、食事、飲み物、音楽演奏等、優雅な雰囲気で執り行われました。白色を基調とした公邸の建物そのものが、東京にありながらも実に見事にドイツ流の佇まいを成しており、まるでドイツに居るかのような美しい時空間を楽しませていただいた次第です。会の終わり、お見送りにいらした大使に、ご招待に対する心からの御礼と、ご多忙ゆえどうか御健康にお気を付け下さいという旨申し上げる機会がございました。あなたも学業研究で忙しいことでしょう、御健康に気を付けて、と温かい握手を頂いたことが、私の嬉しい思い出でございます。

シュタンツェル駐日ドイツ連邦共和国大使に、改めて、深い感謝と敬意を表します。

(大学院外国語学研究科博士後期課程 吉田 達彦)






本学院生もドイツ大使(中央)と大使館員の方と記念写真。





早稲田大学高等学院吹奏楽部による生演奏もありました。

独語独文学専攻大学生のためのガーデンパーティーの模様はドイツ大使館HP内でも紹介されています。

2010年6月4日金曜日

ニュース紹介「受難劇にも不況の波」

German passion play hit by recession

ひょんなことから、この夏、オーバーアマガウで十年に一度に上演されている受難劇 [Passionsspiele, passion play] を見に行くことになりました。BBCニュースによると、世界の経済危機の影響が受難劇にも及んでいるそうです。十年前は主に北米とイギリスから50万人もの人が訪れていたのに、今年は不況でチケットの売り上げが20パーセントほど落ちており、将来的には中国、インド、ブラジルなどから観客を集めようと、劇も観客の多様化に合わせて書きかえられているそうです。劇は人口5千人の村のおよそ半数の住民によって演じられています。今年は初めてトルコ系の住民も舞台に参加しているそうです。

つい最近までこの劇について全く知りませんでしたが、私の周りだけでも三人ほどの日本人が行くので、日本人の割合も意外と高いのかもしれませんね。詳しくはHPをどうぞ。(日本語で検索すると、ツアーのサイトが出てきます。)


M.T.