夏の夜の美術館
毎年恒例の家族旅行で横須賀方面に行ったついでに、横須賀美術館に行って来ました。8月29日で終わってしまったのですが、イタリアのブルーノ・ムナーリ (1907-1998)の展覧会が開かれていました。ムナーリはプロダクトデザイン、グラフィックデザイン、絵本の制作、子どものための造形教育など多岐にわたる分野で活躍した人で、日本でも大変人気です。
美術館に寄ったのはもう夕暮れ時だったのですが、ちょうどキノ・イグルー(Kino Iglu)というシネクラブが企画した野外シネマの準備中でした。のんびりした夏の夜に、海に面した斜面の芝生に大きなスクリーンが準備されていて、いかにも楽しそう。誰でも自由参加だったので、見て帰ることにしました。バスにのった屋台も出ていて、自然食品のピザやスープが売られています。沢山の親子連れや様々なグループがいて、各々芝生に陣取って好きずきにやっていました。
上映されたのはフランスのアルベール・ラモリス監督の『赤い風船』(1956 年)。少年パスカルと赤い風船の友情?!を描いたほとんど台詞のない短編映画です。少年パスカルと赤い風船が主人公のちょっと幻想的な作品で、最後に少年が沢山の色とりどりの風船に引っ張ってもらってパリの上空を飛んでいる映像をご存知の方もあるかもしれません。1956年、まだCGもない頃に、どうやってこれらの映像が撮影されたのか、未だにその秘密は明かされていないそうです。
ヨーロッパでは夏の夜にこのような催し物が数多くありますが、何しろ横須賀美術館は庭の真向かいに海が見える絶好のロケーション!スクリーンに映し出されたパリの町並みの奥に夜の海が透かして見えて、夜風もさわやか。来年も同じ時期に野外シネマを企画しているそうです。みなさんも機会があれば、ぜひ夏の終わりを美術館で楽しんでみて下さい。
A. A
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