2008年5月2日金曜日

「テレビでドイツ語」よもやま話3

長〜い単語


 5月第1回の放送では,キーフレーズが
Ich möchte gerne zwei Eintrittskarten.
(入場券を2枚ください)
でした。

 Eintrittskartenという言葉,ドイツ語に慣れた人に はまったく難しくないですよね。それは,単語を分解して,<Eintritt + s + Karten>という要素に分けて考えられるからです。さらにドイツ語のできる人であれば,Eintrittも<ein... (中へ) + Tritt (入ること)>に分解できるでしょう。

 でもこの言葉は,はじめてドイツ語を学ぶ人にとっては信じられないくらい(?)長い言葉に思えるはずです。どこに区切りがあるのかもわからない言葉が,アルファベートで15文字,カタカナで書くと11文字もあるのですから。

 こうした長〜い単語は,ドイツ語の面白さの1つだと思います。私がドイツ語をはじめた頃に,「バス停」という単語,die Bushaltestelle [ブス・ハルテ・シュテレ]が出てきました。アルファベートで14文字,カタカナで9文字で,Eintrittskartenより短いですが,そのときはなんども繰り返して発音して,スラスラ言えるようになったときは,とても嬉しかったことを覚えています。

 ドイツ語の長い単語は,必ず分解することができますし,意味のまとまりごとに区切って発音しますので,語彙が増えるとともに意味を取ったり,発音したりするコツがつかめると思います。初心者の方はどうぞご安心ください。

 さて,ドイツ語でもっとも長い単語をご存じですか? 私の知っている限りでは,ネットで紹介されていたもので,
Donau-dampf-schiff-fahrts-gesellschafts-rad-dampfer-kapitäns-
kajüten-tür-sicherheits-schlüssel-etui
というものがあります。アルファベートでなんと87文字!

逐語的に訳すと,「ドナウ川・蒸気・船・航行・会社・(外)輪・蒸気船・船長・船室・ドア・安全・キー・ケース」で,少し日本語らしくすると,「ドナウ蒸気船会社の外輪蒸気船の船長の船室ドアの安全錠ケース」とでもなるでしょうか。

 もちろん言葉として無理があるにせよ,こうした言葉遊びができるくらいドイツ語は組み合わせによって言葉を作ることができるのです。

 そしてどんなに長い単語でも,最後の語で名詞の性が決まります。最後の言葉はdas Etuiですので,この単語の性は中性です。

 最後にクイズ。世界中でいちばん長い単語は何でしょうか? 答は下です。では,
auf Wiedersehen!(さようなら)




 答:英語のsmiles。なぜかって? sとsの間が1マイルあるから!


NHK外国語講座 テレビでドイツ語
教育テレビ
放送:(木) 午前0:00~0:25(水曜深夜)
再放送:(翌週月) 午前6:00~6:25
大好評放映中です。

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