2010年2月28日日曜日

フランス映画-デジタルマスター版

ドイツ占領下のフランスを描いたフランス映画を2つ、ご紹介しましょう。

『海の沈黙』 (1947年 フランス 86分 モノクロ)

2月20日~3月19日  岩波ホールにて

1941年、ドイツ占領下のフランス地方都市。一人の老人とその姪が暮らす家に、ドイツ軍将校ヴェルナーが同居することに。ヴェルナーは音楽家で、フランス文化に尊敬の思いをもち、毎夜、その気持ちを老人たちに語るが、彼らは沈黙をもって答える。そんなある日、ヴェルナーは休暇を利用して、念願のパリを訪れる。そこで彼が知った真実は・・・。(オフィシャルサイトより)


原作はヴェルコールの
『海の沈黙 星への歩み』。
こちらは岩波文庫から翻訳
が出ています。





『抵抗 死刑囚の手記より』 (1956年 フランス 97分 モノクロ)

3月20日~4月16日 岩波ホールにて

1953年、ドイツ占領下のフランス・リヨン市で、フォンティーヌ中尉は、脱走不可能で知られるモンリュック監獄に入れられた。彼は独房で脱獄のための準備を入念にはじめる。仲間をとおしてカミソリや安全ピンを手に入れ、食事のスプーンを研いでノミをつくり、ドアを少しづつ削る。そんなある日、仲間のオルシニが脱獄に失敗し、銃殺された・・・。(オフィシャルサイトより)

「デューラーの遍歴時代-初期素描の研究」


■著者:青山愛香
■発売年月日:2009年12月
■価格:27,300円
■判型:B5判
■ページ数:366頁
■ISBN:978-4805506165



ドイツ・ルネサンス期最大の画家デューラーの様式展開を考える上で「旅」は重要な意味を持つ。本書は謎の多いデューラーの遍歴時代に焦点をあて、第一次イタリア旅行に赴く直前のこの四年間が、若きデューラーの様式確立上極めて大きな意味を持つこと、またその時代の作品はデューラーの作ではないという、従来の説を覆してデューラーの作品と同定し、それらを豊富な図版資料とともに具体的な作品研究から明らかにした独創的な見解の公刊である。

Copyright (C) 2003 Chuo Koron Bijutu Shuppann

興味のある方は全国書店にて、またはamazon などオンラインショップでも扱っています。

2010年2月24日水曜日

「ドイツ環境教育教本-環境を守るための宝箱」

1998年ドイツ語学科卒業の染谷有美子さんが緑風出版から、訳本『ドイツ環境教育教本-環境をも守るための宝箱』を出版されました。




■著者:ティルマン・ラングナー
■訳者:染谷有美子
■発売年月日:2010年2月28日
■価格:2940円
■判型:B6判
■ページ数:353頁
■ISBN:978-4846109172




本書は、環境政策先進国、ドイツの環境教育のための教本です。
教育者のみならず社会教育や家庭でも活用できるマニュアルです。

興味のある方は全国書店にて、またはWebでもご注文いただけます。

2010年2月19日金曜日

『カティンの森』

『カティンの森』(2007年 ポーランド)が2月20日から銀座シネパトスにて上映されます。


-ドイツのヒトラーとソ連のスターリンの密約によって、ポーランドは1939年9月1日ドイツに、9月17日旧ソ連に侵略された。そしてソ連の捕虜になった約15000人のポーランド将校が、1940年を境に行方不明になった。当初は謎とされていたが、1943年春、ドイツがソ連に侵攻した際に、カティンでポーランド将校の数千人の遺体を発見し、「カティンの森」事件が明らかになった。ドイツはソ連の仕業とし、ソ連はそれを否定、ドイツによる犯罪とした。戦後、ソ連の衛星国となったポーランドでは、カティンについて語ることは厳しく禁じられていた。
映画は、実際に遺された日記や手紙をもとに、「カティンの森」事件の真実を、ソ連軍に捕らえられた将校たちの姿を、彼らの帰還を待つ家族たちの姿をとおして描く。(公式サイト Introductin より)

(集英社文庫)
公式サイトはこちら

コメントによせて・・・

先日、コメントにて、東西ドイツ分断を描いた映画を・・・とのリクエストをいただきました。・・・あまりに有名な3作しか思い浮かばなかったのですが、簡単にまとめてみました。


『トンネル(Der Tunnel)』 (2001年ドイツ 167分)

1961年、ベルリンの壁がドイツを東西に分断しました。
東の共産主義体制から逃れるため、愛する人に会うため、東西ベルリンをつなぐ145mのトンネルを掘った人たちがいました。これは、実際にあった物語です。
公式サイトはこちら



(写真は「トンネル」パンフレット)

個人的には、ストーリーが明確で、かつテーマの扱いも重すぎもせず、軽すぎもせず・・・というかんじがいいなと思っています。


『グッバイ・レーニン(GOOD BYE LENIN!)』 
(2003年ドイツ 121分)
やはりこれははずせません。
東ベルリンに住む主人公アレックスとその母クリスティアーネ。クリスティアーネが病床のうちに壁が崩壊してしまいます。社会主義に熱烈に傾倒していた母にショックを与えないようアレックスがとった策は・・・?
公式サイトはこちら


ドイツ人の友人に聞いたところ、この作品は本当に細かいところまで東と西を配慮したつくりになっており、当時の東を知っている人にとってはなんともいえない作品だそうです。個人的にも、ドイツ人に解説をしてもらいながらもう一度じっくり見てみたい映画です。


そして、やはり

『善き人のためのソナタ(Das Leben der Anderen)』 (2006年ドイツ 138分)でしょう。2007年にアカデミー外国語映画賞を受賞したこともあり、非常に有名な作品です。
壁崩壊直前の東ベルリンで、シュタージュのヴィースラー大尉は劇作家のドライマンとその恋人で舞台女優のクリスタの監視を命ぜられます。盗聴器を通して彼が耳にしたことは・・・。
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ヴィースラーを演じたウルリッヒ・ミューエはアカデミー受賞後の2007年7月に胃がんで亡くなっています。この作品を見ると、本当に残念だなと思います。