映画『ハンナ・アーレント』追加上映しています!
昨年12月20日の記事で紹介した映画『ハンナ・アーレント(Hannah Arendt)』(2012年)は、岩波ホールでの上映は終了(1月16日)しましたが、ユーロスペース他数か所の劇場にて、アンコール上映、追加上映となっています。
以下、各劇場の上映情報です。
ユーロスペース(渋谷)
【期間】 1月11日~1月31日
【上映時間】
13:30/18:40~20:50
【入場料金】
一般1700円/大学・専門学校生1400円/会員・シニア1200円/高校生800円/中学生以下500円
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新宿シネマカリテ
【期間】 1月18日~1月30日
【上映時間】
1月18日~24日:12:10~14:10/21:15~23:15(レイト)
1月25日~30日:12:15~14:20/21:00~23:00(レイト)
【入場料金】
一般1,800円/大学生・高校生1,500円(学生証をご提示下さい)/中学生(学生証提示)・小学生・幼児(3歳以上)1,000円/シニア(60歳以上)1,000円/障害者手帳をお持ちの方…1,000円(お付き添いの方1名様まで同料金)
※この他お得な割引・クーポンなどあり。(詳しくはHPまで)
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吉祥寺バウスシアター
【期間】 1月31日まで
【上映時間】
10:30 / 12:40 / 14:50
【入場料金】
一般1,800円/学生1,500円/高校生以下・シニア・会員1,000円
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角川シネマ有楽町
【期間】 1月25日~2月6日(アンコール上映)
【上映時間】
1月25日~1月30日:15:00
1月31日~2月6日:16:20
【入場料金】
一般1,800円/大学生・高校生1,500円/小学生・中学生・シニア(60歳以上)1,000円/幼児(3歳以上)900円
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※東京以外の劇場情報に関しては、公式HPをご参照ください。
また、『ハンナ・アーレント』の大ヒットを記念して、ユーロスペースでは、幻のアイヒマン裁判実録ドキュメンタリーが限定公開されています。
『スペシャリスト―自覚なき殺戮者―』
監督:エイアル・シヴァン
出演:アドルフ・アイヒマン
1999年/フランス・ドイツ・ベルギー・オーストリア・イスラエル
128分/モノクロ
【上映期間】 1月11日~1月31日
【上映時間】
16:00~18:20
【入場料金】 1,200円均一
【あらすじ】
95年にイスラエルのフィルム保管所で発見されたナチス戦犯アイヒマン裁判の全行程を記録した350時間にも及ぶ未公開テープを、ハンナ・アーレントの著作「イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告」を軸に編集したアイヒマン裁判の全貌。
『スペシャリスト―自覚なき殺戮者―』は法廷を舞台としたドラマであり、そこに描かれているのは法律と階層秩序にこの上もない敬意を払う熱心な官吏であり、また同時に数百万人の人々の抹殺に責任を負うSS幹部でもあり、且つ原題の犯罪者でもある一人の男の肖像である。
警察当局は被告を血に飢えた変質者、権謀術数にたけた嘘つき、そして連続殺人者として描写しているが、しかしこの男は物静かな家庭人のような容貌であり、その平凡さは滑稽であると共に恐ろしささえ感じさせる。この男は自分が加担した犯罪計画で自分の果たした役割を否定していないが、上司の指示、忠誠の制約あるいは命令遵守義務といった隠れ蓑の背後に隠れてしまう。この男は自分の役割が単に代行者でしかないこと、すなわち純粋に行政上・兵站上のものでしかなく、いかなる感情も持ち合わせていないということが人道的裁判から擁護されると考えている。もっともそれだからといってすべて免責になるというものではない。
被告アドルフ・アイヒマンは平均的な背丈の50代の男性、近眼で頭髪はほとんど禿げ上がっており、神経性の痙繁で悩んでいる。裁判の行われている間中、アイヒマンはガラス製のボックス席に座り、自分の回りにこぎれいに積み重ねられた書類に絶えずメモ書きをしたり、何度も読み返したりざっと目を通したりしている。国外移住のエキスパートであり「ユダヤ人問題」のスペシャリストであったアイヒマンは、1941年から1945年にかけて行われた「人種上の理由による国外追放者」をナチス強制収容所へ移送する責任者であって彼はこの仕事を驚くほどに官僚的な正確さで遂行する。法廷で、あるいは彼からあてがわれた義務と良心との間の葛藤をなんとかして表現しようとする。そしてその義務を怠ったという理由で誰も彼も告発することはできないと主張する。
自分自身の無力さに当惑したため、被告は自分自身を「大海の中の一滴、上級権力の手中にある道具」と表現する。もし私がやっていなかったら、誰か他の人間が代わりにやっていただろう、と述べている。犯罪の残忍な性質と被告の平凡さとの間のコントラストは極めて印象深いものであり、このドキュメンタリー作品を構成する13の場面が進むにつれてなお一層明らかなものとなる。なぜならそこに描かれているのは恐ろしく凡庸な人間の肖像だからである。
『スペシャリスト―自覚なき殺戮者―』は法廷を舞台としたドラマであり、そこに描かれているのは法律と階層秩序にこの上もない敬意を払う熱心な官吏であり、また同時に数百万人の人々の抹殺に責任を負うSS幹部でもあり、且つ原題の犯罪者でもある一人の男の肖像である。
警察当局は被告を血に飢えた変質者、権謀術数にたけた嘘つき、そして連続殺人者として描写しているが、しかしこの男は物静かな家庭人のような容貌であり、その平凡さは滑稽であると共に恐ろしささえ感じさせる。この男は自分が加担した犯罪計画で自分の果たした役割を否定していないが、上司の指示、忠誠の制約あるいは命令遵守義務といった隠れ蓑の背後に隠れてしまう。この男は自分の役割が単に代行者でしかないこと、すなわち純粋に行政上・兵站上のものでしかなく、いかなる感情も持ち合わせていないということが人道的裁判から擁護されると考えている。もっともそれだからといってすべて免責になるというものではない。
被告アドルフ・アイヒマンは平均的な背丈の50代の男性、近眼で頭髪はほとんど禿げ上がっており、神経性の痙繁で悩んでいる。裁判の行われている間中、アイヒマンはガラス製のボックス席に座り、自分の回りにこぎれいに積み重ねられた書類に絶えずメモ書きをしたり、何度も読み返したりざっと目を通したりしている。国外移住のエキスパートであり「ユダヤ人問題」のスペシャリストであったアイヒマンは、1941年から1945年にかけて行われた「人種上の理由による国外追放者」をナチス強制収容所へ移送する責任者であって彼はこの仕事を驚くほどに官僚的な正確さで遂行する。法廷で、あるいは彼からあてがわれた義務と良心との間の葛藤をなんとかして表現しようとする。そしてその義務を怠ったという理由で誰も彼も告発することはできないと主張する。
自分自身の無力さに当惑したため、被告は自分自身を「大海の中の一滴、上級権力の手中にある道具」と表現する。もし私がやっていなかったら、誰か他の人間が代わりにやっていただろう、と述べている。犯罪の残忍な性質と被告の平凡さとの間のコントラストは極めて印象深いものであり、このドキュメンタリー作品を構成する13の場面が進むにつれてなお一層明らかなものとなる。なぜならそこに描かれているのは恐ろしく凡庸な人間の肖像だからである。
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『ハンナ・アーレント』を見逃した方、それから『ハンナ・アーレント』は観たけれど、『スペシャリスト』は観ていないという方、さらにどちらも観たけれどもう一度!という方は是非この機会に、劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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