2014年5月7日水曜日

Die Sterneコンサート


2014年6月12日渋谷にて、ドイツ・ハンブルクのロックバンドDie Sterneのコンサートが行われます。
Die Sterneはヴォーカル兼ギターのFrank Spilker、ベースのThomas Wenzel、ドラムのChristoph Leichの3人からなるロックバンドです。

最新アルバム『24/7』は日本のAmazonでも購入可能です。→Amazon.co.jp

日時:
2014年6月12日(木)19:00 (開場18:30)
会場:
Tsutaya O-nest 渋谷区円山町2-3 6F
チケット:
前売: 2.500円
当日: 3.000円

関連サイト:
Die Sterne公式サイト(ドイツ語)
ゲーテインスティトゥート東京・催し物カレンダー
Wikipedia(ドイツ語)
※詳細はゲーテインスティトゥートのページでご確認ください。

映画『バチカンで逢いましょう(Omamamia)」他


『バチカンで逢いましょう』(原題:Omamamia)

制作年:2012年
制作国:ドイツ
監督:トミー・ビガント
上映時間:105分
ドイツ語/日本語字幕


あらすじ(公式サイトより):
マルガレーテは長年連れ添った夫ロイズルの葬儀を済ませ、人生の新たな一歩を踏み出そうとしていた。

彼女は40年前に夫とドイツ南東部の州バイエルンからカナダの広大なビッグベア・クリークに移住し、自然に囲まれた住み慣れた我が家で幸せに暮らしていた。長女マリーは母が遠く離れた一軒家で一人暮らしをするのが心配で、両親の家を売却し、自分たちの住む都市部のホワイトホースへ呼び寄せることにした。

マルガレーテはマリーの家で一緒に暮らせるものと思っていたが、マリーは彼女に新設の老人ホームを勧め、みんなで行くと約束をしていたローマ旅行もうやむやにされてしまう。敬虔なカソリックの信者であるマルガレーテには、どうしてもローマ法王(教皇)の前で懺悔したいことがあったのだ。

ある朝、マルガレーテは置手紙を残して、単身ローマに旅立った。

14時間の空の旅。ローマに住む孫娘マルティナの家に転がり込んだマルガレーテは、さっそくバチカンへ向かった。長年夢にまで見た、憧れの場所。だが、法王と会うのは簡単なことではなかった。

集団謁見の日に再訪したマルガレーテはそこで大事件を起こしてしまう。盲人を装って法王に会おうとしていた老詐欺師を懲らしめようと、持っていた護身用のスプレーを吹きかけたところ、それが法王を直撃してしまったのだ。しかし、逮捕され、尋問を受けるマルガレーテを救ったのは盲人を装っていたイタリア人ロレンツォだった。彼は警察に事件はすべて自分のせいだと説明し、マルガレーテは釈放される。

一方、マルガレーテはロレンツォの甥ディノとも不思議な縁で出会っていた。ディノの母親はドイツ人で彼らはローマでバイエルン料理店“リセロッタ”を経営していたが、ディノの作る料理はあまりにも不味く、店は倒産寸前だった。最初は客として来店したマルガレーテも、あまりにひどい料理に自ら厨房で料理を作り始めてしまう。やがてマルガレーテはその店のシェフとして働くことになり、彼女の作る料理は大評判となって店は一気に繁盛する。

法王襲撃犯として国際ニュースにまでなった母を心配して娘マリーもローマへやってきた。孫のマルティナは恋人とのトラブルが発生して傷心気味。ロレンツォとディノにも予期せぬ不幸が訪れ、マルガレーテはなぜロレンツォが人をだましてまでも法王に会おうとしていたのか初めて知った。

傷ついた人々の心を癒すのは、やっぱりマルガレーテの優しい心と美味しい料理。そして、彼女は40年間家族の誰にも話したことのない秘密をマリーに明かす。だが、その秘密のあまりの衝撃に母と娘は大喧嘩を始めてしまう。

そんなとき、マルガレーテのもとにバチカン教会から、法王をはじめ100人分のカイザーシュマーレンを作ってほしいと依頼が入る。母、娘、孫の3人は、無言のまま力を合わせてその甘く懐かしい家庭の味を作りはじめるのだった…。




上映館情報:
東京:新宿武蔵野館 4/26~
埼玉:川越スカラ座 6/28~

公式サイト:
http://cinematravellers.com/vatican/
http://cinematravellers.com/
※その他の情報は公式サイトをご覧ください。

マルガレーテ役のマリアンネ・ゼーゲブレヒトが出演している『バグダッド・カフェ』は獨協大学図書館でも視聴可能です。(獨協大学OPAC
また、監督のトミー・ビガントの過去作品『飛ぶ教室』も図書館で視聴可能です。(獨協大学OPAC)

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その他の映画情報

『ドエトフスキーと愛に生きる』
スイス/ドイツ、2009年、ドイツ語・ロシア語、カラー/モノクロ、ドキュメンタリー、93分
公開中
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/dostoevskii/



『ガーディアン』(カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2014)
ドイツ、2012年、カラー、132分、ドイツ語版・日本語字幕付き
5月19日13:00~、5月23日10:30~、6月1日15:30~
公式サイト:http://qualite.musashino-k.jp/quali-colle/



『生きる源』(EUフィルムデーズ2014)
ドイツ、2012年、劇映画、173分
6月1日(日)12:00~、6月4日(水)15:00~
公式サイト:http://www.eufilmdays.jp/



『フィンスターワールド』
ドイツ、2013年、91分、デジタル上映、英語字幕付き
6月7日(土)15:00~
公式サイト:http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja12629097v.htm
※無料、要事前申込。詳細は上記サイトにてご確認ください。


2014年2月12日水曜日

東京演劇アンサンブル創立60年記念公演1『屠畜場の聖ヨハンナ』(Die heillige Johanna der Schlachthöfe)

東京演劇アンサンブル
創立60年記念公演 第1弾

『屠畜場の聖ヨハンナ』(原題:Die heillige Johanna der Schlachthöfe)
1929年
作:ベルトルト・ブレヒト
訳:加藤衛
構成:庭山由佳・小森明子
演出:小森明子
音楽:かとうかなこ



内容:
シカゴの屠畜場。
工場が閉鎖され路上に溢れる労働者。
救世軍・麦わら隊のヨハンナ・ダークは、この惨状に心を痛め、ピーヤポント・モーラーが牛耳る食肉市場に乗り込む。
ジャンヌ・ダルクかドン・キホーテか?
ヨハンナのまっすぐな問いかけが、モーラーの心を揺さぶる。
ブレヒトが世界恐慌直後のアメリカ市場経済を戯曲化した、現在を写す物語。
(東京演劇アンサンブルより)


上演情報:
期間
2014年3月20日(木)~3月30日(日)

ブレヒトの芝居小屋
(西武新宿線・武蔵関駅より6分)※会場へのアクセスは以下地図参照

上映時間
14時~(21日/23日/29日/30日)
19時~(20日/22日/24日/26日/27日/28日)

全席自由
◆前売 一般3800円/学生3000円
◆当日4500円
※24日、26日のみ2500円

詳しくはHPにて
『屠畜場の聖ヨハンナ』
東京演劇アンサンブルについて


会場へのアクセス

大きな地図で見る

2014年1月29日水曜日

『ドイツ映画祭2014』

『ドイツ映画祭2014

ヨハンナ比較文化研究所主催の『ドイツ映画祭2014』が、川崎市の後援を得て43日から517日まで計6日間、川崎市国際交流センターホールにて開催されます。今回は3本のドイツ映画(日本初上映)が上映されます(全て日本語字幕あり)。いずれの作品も現代史の重要事件を扱ったものです。

映画の概要は以下のとおりです。



『グライヴィッツ事件』1961年)

監督:ゲアハルト・クライン
脚本:ヴォルフガング・コールハッセ
モノクロ70



グライヴィッツ事件とは1939年、当時ドイツ領であったグリヴィツェ(現ポーランドでグライヴィッツはドイツ読み)にあるラジオ局に親衛隊がしかけた自作自演の襲撃事件。親衛隊はこれを反ドイツ系ポーランド住民の仕業に見せかけた。

当時、このグライヴィッツ襲撃事件以外にもポーランドとドイツの国境付近で複数の放火事件が起きており、すべてがポーランド侵攻に口実を与えるための「ヒムラー作戦」であった。事件の真相は、ニュルンベルク裁判でのSS少佐アルフレート・ナウヨックスの供述で明らかになっている。

この謀略事件をもとにヒトラーはポーランドに対する「自衛権行使」を主張し、ポーランド侵攻を発動して第二次世界大戦が始まる。
映画はナウヨックスの証言を忠実にドラマ化しながらも、途中に当時大女優であったマルタ・エゲルトの歌を挿入するなど、娯楽作品としても十分楽しめるように作られている。

 監督のゲアハルト・クラインは、10代の男女の引き起こす事故の顛末をモノクロながら美しい画面で描き出した『Berlin, Ecke Schönhauser(1957)の監督としても有名。また、脚本のヴォルフガング・コールハッセは名監督コンラート・ヴォルフの『Ich war neunzehn』をはじめ、数多くの優れた脚本を手がけるなど、多作である。





『赤いオーケストラ』2004年)
監督:シュテファン・ローロフ
カラー89





 ナチスに抵抗したドイツ最大のグループ『赤いオーケストラ』は、100人もの多様な男女の集合体だった。色々な気質と年齢、様々な政治傾向と学歴の者がいたが、全員が国家社会主義と戦争を終わらせるために結束し、その多くが拷問され処刑された。戦後は元SSの軍人が米国占領軍に取り入る手段として、「赤いオーケストラ」を東側のスパイ組織に仕立て上げた情報をCIAに提供。そのため今度は冷戦のなか、双方の宣伝材料にされ、彼らの名誉はなかなか回復されなかった。こうした背景による娯楽作品も創作され、赤いオーケストラがスパイ組織であったかのようなイメージ作りにひと役買ったようである。
 
 しかし最近、このグループについての再評価がさかんになされるようになった。今回紹介するローロフ監督の作品では、生存者や遺族に詳細なインタヴューを行ない、洗練されたアニメーションでレジスタンスの様子を再現することによって、組織の真の姿を今日に初めて蘇えらせる。監督は生還したピアニスト、ヘルムート・ローロフの息子。

"ヒトラーをどうにかしなくちゃならんという思いが日増しに強くなっていった..."
ヘルムート・ローロフ






『秋のライプツィヒ1989
1989年)
監督:アンドレアス・フォイクツ
モノクロ54




ベルリンの壁を崩壊に導いた大規模な「月曜デモ」を、ライプツィヒを中心に取材。デモ参加者、対峙した警官隊、市議、その他あらゆる場面でかかわった人物にインタヴューし、当事者としての旧東ドイツ市民が何を考え、どのように行動したかをカメラで追う。

1989年
10月 7日 GDR40周年記念日。ベルリン、ライプチヒ、マクデブルク、ドレスデン、カールマルクス市で反対デモ
10月 9日 ライプツィヒ市民30万人がデモ、非暴力を呼びかける
10月18日 ホーネッカー辞任。エゴン・クレンツ、書記長に
10月24日 クレンツ、国務院議長に
10月27日 無許可越境に関する第213条項廃止
11月 1日 クレンツ、ゴルバチョフを訪問
11月 4日 ベルリンで初の公認デモ、50万人が街頭に
11月 6日 旅行制限法案が国会で無効に。この年すでに25万人が国外へ
11月 7日 東ドイツ内閣辞職
11月 8日 共産党政治局選挙
11月 9日 突然国境が東西ドイツ全市民に開放される
11月13日 SED特別委員会召集、ハンス・モドロウが首相に選ばれる




料金:各回500円(自由席・264席)
予約はjohannastudies☆gmail.comまたは0467-81-5624まで。
※☆を@に変えてください。

上映スケジュール
4月3日()18:40より
赤いオーケストラ
4月4日()18:40より
グライヴィッツ事件
5月1日()18:40より
赤いオーケストラ
5月2日()18:40より
赤いオーケストラ
5月16()18:40より
赤いオーケストラ
5月17()14:00より
赤いオーケストラ
5月17()16:00より
秋のライプツィヒ
5月17()17:20より
グライヴィッツ事件

会場へのアクセス
川崎市国際交流センターホール 
(東急東横線・目黒線「元住吉駅」下車徒歩12)

『ドイツ映画祭2014HP

2014年1月27日月曜日

映画『コーヒーをめぐる冒険(Oh Boy)』


映画:『コーヒーをめぐる冒険』(原題:Oh Boy)


2012年/ドイツ/85分
ドイツ語/モノクロ
2014年春 渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

あらすじ:
2年前に大学を辞めたことを父に秘密にしたまま、“考える”日々を送っている青年ニコ。恋人の家でコーヒーを飲みそこねた朝、車の免許が停止になった。アパートでは上階に住むオヤジに絡まれ、気分直しに親友マッツェと出かけることに。すると、クサい芝居の売れっ子俳優、ニコに片想いしていた同級生ユリカ、ナチス政権下を生き抜いた老人等々、ニコの行く先々でひとクセある人たちが次々と現れる。果たして、ニコのツイてない1日の幕切れは──? (公式HPより)





その他詳細はこちら:映画『コーヒーをめぐる冒険』公式HP



上映情報:

2014年3月1日(土)より

渋谷シアター・イメージフォーラム


【上映時間】

13:00/15:00/17:00/19:00

劇場HPはこちら




2014年1月23日木曜日

映画『さよなら、アドルフ(Lore)』



映画:『さよなら、アドルフ』(原題: Lore)
制作年:2012年
制作国:オーストラリア、ドイツ、イギリス合作

監督:ケイト・ショートランド
上映時間:109分
全編ドイツ語

あらすじ:
1945年春。敗戦後のドイツで、ナチ親衛隊の高官だった父と母が連合軍に拘束され置き去りにされた14歳の少女・ローレは、幼い妹・弟たちと遠く900キロ離れた祖母の家を目指す。終戦を境に何もかもが変わってしまった国内では、ナチの身内に対する目は冷たく、相手が子供であっても救いの手を差し伸べてくれる者はいなかった。そんな中、ナチがユダヤ人にしてきた残虐行為を初めて知り、戸惑うローレ。さらに、ローレたちを助けてくれるユダヤ人青年・トーマスが旅に加わったことで、ローレがこれまで信じてきた価値観やアイデンティティが揺らぎ始める—―(公式サイトより)



上映館情報
東京:シネスイッチ銀座 1/11〜
神奈川:シネマ・ジャック&ベティ 2/8〜2/28
千葉:千葉劇場 2/15〜2/28

※その他詳細は公式サイトをご覧ください。


原作:『暗闇のなかで』(レイチェル・シェーファー著、原題:The Dark Room)→獨協大学図書館OPAC
amazon.co.jpで確認する場合はこちら

映画『ハンナ・アーレント』追加上映しています!

昨年12月20日の記事で紹介した映画『ハンナ・アーレント(Hannah Arendt)』(2012年)は、岩波ホールでの上映は終了(1月16日)しましたが、ユーロスペース他数か所の劇場にて、アンコール上映、追加上映となっています。

以下、各劇場の上映情報です。


ユーロスペース(渋谷)

【期間】 1月11日~1月31日

【上映時間】
13:30/18:40~20:50

【入場料金】
一般1700円/大学・専門学校生1400円/会員・シニア1200円/高校生800円/中学生以下500円

HPはこちら



新宿シネマカリテ

【期間】 1月18日~1月30日

【上映時間】
1月18日~24日:12:10~14:10/21:15~23:15(レイト)
1月25日~30日:12:15~14:20/21:00~23:00(レイト)

【入場料金】
一般1,800円/大学生・高校生1,500円(学生証をご提示下さい)/中学生(学生証提示)・小学生・幼児(3歳以上)1,000円/シニア(60歳以上)1,000円/障害者手帳をお持ちの方…1,000円(お付き添いの方1名様まで同料金)
※この他お得な割引・クーポンなどあり。(詳しくはHPまで)

HPはこちら



吉祥寺バウスシアター

【期間】 1月31日まで

【上映時間】
10:30 / 12:40 / 14:50

【入場料金】
一般1,800円/学生1,500円/高校生以下・シニア・会員1,000円

HPはこちら



角川シネマ有楽町

【期間】 1月25日~2月6日(アンコール上映)

【上映時間】
1月25日~1月30日:15:00
1月31日~2月6日:16:20

【入場料金】
一般1,800円/大学生・高校生1,500円/小学生・中学生・シニア(60歳以上)1,000円/幼児(3歳以上)900円

HPはこちら


※東京以外の劇場情報に関しては、公式HPをご参照ください。





また、『ハンナ・アーレント』の大ヒットを記念して、ユーロスペースでは、幻のアイヒマン裁判実録ドキュメンタリーが限定公開されています。

『スペシャリスト―自覚なき殺戮者―』


監督:エイアル・シヴァン
出演:アドルフ・アイヒマン
1999年/フランス・ドイツ・ベルギー・オーストリア・イスラエル
128分/モノクロ


【上映期間】 1月11日~1月31日

【上映時間】
16:00~18:20

【入場料金】 1,200円均一

【あらすじ】
95年にイスラエルのフィルム保管所で発見されたナチス戦犯アイヒマン裁判の全行程を記録した350時間にも及ぶ未公開テープを、ハンナ・アーレントの著作「イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告」を軸に編集したアイヒマン裁判の全貌。

『スペシャリスト―自覚なき殺戮者―』は法廷を舞台としたドラマであり、そこに描かれているのは法律と階層秩序にこの上もない敬意を払う熱心な官吏であり、また同時に数百万人の人々の抹殺に責任を負うSS幹部でもあり、且つ原題の犯罪者でもある一人の男の肖像である。

警察当局は被告を血に飢えた変質者、権謀術数にたけた嘘つき、そして連続殺人者として描写しているが、しかしこの男は物静かな家庭人のような容貌であり、その平凡さは滑稽であると共に恐ろしささえ感じさせる。この男は自分が加担した犯罪計画で自分の果たした役割を否定していないが、上司の指示、忠誠の制約あるいは命令遵守義務といった隠れ蓑の背後に隠れてしまう。この男は自分の役割が単に代行者でしかないこと、すなわち純粋に行政上・兵站上のものでしかなく、いかなる感情も持ち合わせていないということが人道的裁判から擁護されると考えている。もっともそれだからといってすべて免責になるというものではない。

被告アドルフ・アイヒマンは平均的な背丈の50代の男性、近眼で頭髪はほとんど禿げ上がっており、神経性の痙繁で悩んでいる。裁判の行われている間中、アイヒマンはガラス製のボックス席に座り、自分の回りにこぎれいに積み重ねられた書類に絶えずメモ書きをしたり、何度も読み返したりざっと目を通したりしている。国外移住のエキスパートであり「ユダヤ人問題」のスペシャリストであったアイヒマンは、1941年から1945年にかけて行われた「人種上の理由による国外追放者」をナチス強制収容所へ移送する責任者であって彼はこの仕事を驚くほどに官僚的な正確さで遂行する。法廷で、あるいは彼からあてがわれた義務と良心との間の葛藤をなんとかして表現しようとする。そしてその義務を怠ったという理由で誰も彼も告発することはできないと主張する。

自分自身の無力さに当惑したため、被告は自分自身を「大海の中の一滴、上級権力の手中にある道具」と表現する。もし私がやっていなかったら、誰か他の人間が代わりにやっていただろう、と述べている。犯罪の残忍な性質と被告の平凡さとの間のコントラストは極めて印象深いものであり、このドキュメンタリー作品を構成する13の場面が進むにつれてなお一層明らかなものとなる。なぜならそこに描かれているのは恐ろしく凡庸な人間の肖像だからである。
HPはこちら




『ハンナ・アーレント』を見逃した方、それから『ハンナ・アーレント』は観たけれど、『スペシャリスト』は観ていないという方、さらにどちらも観たけれどもう一度!という方は是非この機会に、劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。





2013年12月20日金曜日

映画『ルートヴィヒ(Ludwig II)』




 明日12月21日(土)より、映画『ルートヴィヒ』が有楽町スバル座他、全国で順次ロードショーを開始します。日本でもノイシュヴァンシュタイン城や、その美貌と奇妙な運命でよく知られているルートヴィヒ2世の生涯を描いた作品です。

 作曲家リヒャルト・ワーグナー生誕200周年の最後を飾るこの作品は、20億円もの制作費を投入され、ノイシュヴァンシュタイン城など、ルートヴィヒゆかりの古城で撮影が 行われています。

あらすじ:
 19世紀半ば、ヨーロッパ一の美貌を謳われたバイエルンの王がいた。その名はルートヴィヒ2世。ドイツ連邦の統一をめぐって激しい主導権争いが繰り広げられるなか、戦争にも権力にも感心を持たず、ひたすら芸術に情熱を注いだ彼は、40年の短い生涯を通じてバイエルンを美の王国にするという見果てぬ夢を追い続けた。本作は、そのエキセントリックな人物像を解き明かす壮大な歴史ドラマ。高い美意識と強烈な個性ゆえ、死後125年以上たった今も多くの人々を魅了してやまないルートヴィヒの、知られざる孤独と狂気の正体に迫る話題作だ。
 1864年、父王の急逝により18歳で王座に就いたルートヴィヒ。それから22年におよぶ波乱の半生をたどるドラマは、楽劇王と呼ばれた大作曲家、リヒャルト・ワーグナーとルートヴィヒの愛憎劇を主軸に展開する。ルートヴィヒがワーグナーの音楽に魅せられたのは、15歳で歌劇『ローエングリン』を観たことがきっかけだった。以来、白鳥の騎士ローエングリンに憧れ、ワーグナーを崇拝するようになったルートヴィヒは、王になると同時にワーグナーを宮廷に招き入れ、多額の負債を肩代わりしてやる。プロイセンとの戦争が間近に迫った状況であるにもかかわらず、「ワーグナーを聴けば敵は武器を捨てる」と豪語し、国費をワーグナーに貢ぎ続けるルートヴィヒ。その言動に危機感を覚えた大臣たちは、ルートヴィヒにワーグナーの追放を迫るが、いっぽうのワーグナーも影響力を行使してルートヴィヒに大臣の罷免を迫る。両者の板挟みになり、倒れるほど苦しんだルートヴィヒは、大臣たちに押し切られる形でワーグナーを追放。その結果、いっそうの孤立と混乱を深めていく。
(公式HPより)

詳しくはこちら

映画『ハンナ・アーレント』(Hannah Arendt)

映画:『ハンナ・アーレント』(原題Hannah Arendt)
制作年:2012年
制作国:ドイツ・ルクセンブルク・フランス合作
監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ
上映時間:114分

あらすじ:
誰からも敬愛される高名な哲学者から一転、世界中から激しいバッシングを浴びた女性がいる。彼女の名はハンナ・アーレント、第2次世界大戦中にナチスの強制収容所から脱出し、アメリカへ亡命したドイツ系ユダヤ人。
1960年代初頭、何百万ものユダヤ人を収容所へ移送したナチス戦犯アドルフ・アイヒマンが、逃亡先で逮捕された。アーレントは、イスラエルで行われた歴史的裁判に立ち会い、ザ・ニューヨーカー誌にレポートを発表、その衝撃的な内容に世論は揺れる…。
「考えることで、人間は強くなる」という信念のもと、世間から激しい非難を浴びて思い悩みながらも、アイヒマンの<悪の凡庸さ>を主張し続けたアーレント。歴史にその名を刻み、波乱に満ちた人生を実話に基づいて映画化、半世紀を超えてアーレントが本当に伝えたかった<真実>が、今明かされる――。(公式サイトより)




公式サイト:http://www.cetera.co.jp/h_arendt/
※劇場情報は公式サイトをご覧ください。
ハンナ・アーレントについて:wikipedia
※ハンナ・アーレントに関する図書は獨協大学図書館にも所蔵しています。

2013年12月19日木曜日

[PROST!]ドイツとドイツ語圏を知ろう(5)

留学生インタビュー ~ドイツから見た日本~
日本とドイツのことについて、留学生にインタビューしました!

 今回インタビューに応じてくれたのは、ベルリン出身でハレ・ヴィッテンベルク大学から来た女の子です (本人の希望で名前は出していません)。彼女は半年間、獨協大学に留学していました。
 ちなみに、彼女が来たハレ・ヴィッテンベルク大学とは獨協との交換留学制度がありますよ!


◆ なぜ日本に来たのですか?

 日本学専攻で日本語を勉強していたからです。ペラペラには喋れなかったけど、きっと将来、日本語を使いたければ話せることが重要だと思ったから、日本に来ました。

Ich habe im Japanologiestudium Japanisch gelernt. Aber ich konnte gar nicht perapera sprechen. Aber wenn man Japanisch in der Zukunft nutzen will, ist es wichtig, Japanisch auch sprechen zu können. Deshalb bin ich nach Japan gekommen.


◆ 日本のことをどう思いますか? 想像と実際ではどのように違いましたか?

 とても驚いたのは、ドイツで日本について習ったことがほんとうに当たっていたことでした。例えば、「本音と建前」や集団思想、女性の社会的なルールや義務などです。日本人がほんとうにそうだとは思わなかったので、ショックを受けました。ドイツとはまるで違う習慣です。

Ich war sehr überrascht, das alles, was ich gelernt habe, wirklich stimmt. Also mit Honne und Tatemae, Gruppendenken, der Rolle der Frau und den sozialen Regeln und Pflichten. Ich konnte mir nicht vorstellen, dass es in Japan wirklich so ist, das hat mich schockiert. Das ist ganz anders als in Deutschland.

 日本人がドイツ人と、あるいはイギリス人や他の国の人と全く違う考え方をするということにも驚きまし た。私はそれまでドイツしか知らなかったので、だれもがドイツ人と同じようにものを考えると思っていましたが、文化によってそれぞれ違うということに驚かされました。 

Außerdem war ich überrascht, dass Japaner ganz anders denken als Deutsche. Aber auch Engländer und andere Länder. Weil ich immer nur Deutsche kannte, dachte ich, jeder auf dieser Welt denkt wie Deutsche, aber es ist jeweils unterschiedlich von Kultur zu Kultur.

 ドイツには、日本人はとてもシャイで魅力的で礼儀正しく、いつもにこにこしているというステレオタイプがあります。日本に住んだことのある今、もう日本人全員がシャイだとは思いません。シャイではない人もいますからね。日本人はドイツ人よりも興味深いと思います。今でも日本人はとても丁寧で礼儀正しいと 思います。でも知り合った何人かの日本人には、礼儀知らずやあまり礼儀正しいとはいえない人もいました。 日本人はほとんどいつもにこにこしているのは確かだけど、たまに悲しそうな顔をしている人もいます。いずれにしても、日本人はドイツ人よりもにこにこしているし、礼儀正しいと思います。

Zudem gibt es in Deutschland den Stereotyp, dass Japaner sehr schüchtern, attraktiv und höflich sind und immer lächeln. Jetzt wo ich in Japan war, finde ich nicht mehr, dass Japaner schüchtern sind. Es gibt schüchterne Japaner, aber auch nicht schüchterne. Ich finde Japaner immer noch sehr attraktiv und attraktiver als Deutsche. Höflich finde ich Japaner immer noch, aber ich habe auch ein paar kennengelernt, die wenig höflich oder nicht höflich sind. Dass Japaner immer lächeln, sehe ich immer noch so. Auch wenn
10manche auch traurig gucken. Dass Japaner immer lächeln, sehe ich immer noch so. Auch wenn manche auch traurig gucken. Auf jeden Fall lächeln Japaner mehr als Deutsche und sind höflicher.

 人に言われたことがあって、日本人はアイロニー(皮肉、ひねった表現)を分からないと思っていました。でも、日本人もアイロニーを理解するし、使いますよね。

 Ich dachte auch, Japaner verstehen keine Ironie, weil mir das so erzählt wurde. Aber Japaner verstehen Ironie und benutzen Ironie auch.

 ドイツ人はかなりストレートに物事を言うけど、日本人はあまり言いませんね。そこはちょっと嫌でした。 ドイツ人は „nein“ (英語の no)も、したいことも、みんなはっきり言いますから。例えば、日本人と遊びに行った時、いつも「楽しかった」とか「もう一度遊ぼう」とか言いますよね。ほんとうにそう思ったかどうかは関係なく。だからちょっと混乱しました。私を好いてくれているのか、それともそうではないのか、ほんとうにまた遊びたいと思ってくれていたのか、よく分かりませんでした。実のところ、日本人がほんとう は何を思っているのか、理解できないのではないかと感じました。でも全体として私は日本にいいイメージを持っていますし、ただ全く違う文化や考え方だということです。

Nicht so sehr mochte ich, dass Japaner nicht so direkt sind wie Deutsche. Deutsche sagen auch "nein" und was sie wollen. Japaner sagen immer "tanoshikatta" und "mou ichido asobou", egal ob sie das wirklich denken oder nicht. Das hat mich verwirrt. Ich wusste nicht, wer mich mag und wer nicht und ob sich die Person mit mir treffen will oder nicht. Ich habe das Gefühl, man weiß nie, was Japaner wirklich denken. Aber im Großen und Ganzen habe ich ein positives Bild von Japan, nur halt, dass unsere Kulturen und Denkweisen sehr anders sind.

 日本人はドイツとは全く文化が違うけど、みんなとても優しい人たちです。一番好きだったところは、日 本人がドイツ人よりもいつもにこにこしていて、笑ったり、面白い冗談を言ってくれたことです。日本人と一緒にいると、いつも良い気持ちで嬉しかったです。

Alles in allem finde ich, dass Japaner von der Kultur ganz anders sind als Deutsche, aber Japaner sind sehr nette Menschen. Ich mochte am liebsten, dass Japaner immer lächeln, lachen und Witze machen, viel mehr als Deutsche. Mit Japanern hatte ich immer gute Laune und war glücklich.


◆インタビューに答えてくれて、どうもありがとうございます!