2010年6月18日金曜日

シャルロート先生にインタビュー

―まずお名前をお願いします。
「ヨアヒム・シャルロート(Joachim Scharloth)です。」

―失礼でなければお歳を聞いてもいいですか?
「38歳です。秘密ですよ。(笑)」

―出身はどこですか?

「ドイツです。しかし、スイスやオーストリアなどにも住んでいました。」

―ご家族は?
「妻と娘が一人で、猫はいません。(笑)妻と娘はとても猫が好きなんですけどね、僕が猫アレルギーを持っているので。」

―それは残念ですね。それでは次に、趣味はなんでしょうか?
「クラリネットを吹くことや、サイクリングですかね。あと、パソコンのプログラムを作ったりもします。」

―娘さんとは遊ばれないのですか?
「もちろん可愛い娘と毎日5時間くらい遊びますよ。(笑)まぁ5時間というのは冗談ですけど、日によって違いますが娘とはたくさん遊びます。僕が変な顔をすると、娘はとっても喜ぶんですよ。」

―娘さんが大好きなんですね。ところで日本語がお上手ですが、どこで勉強なさったのですか?
「いや、そんなに上手くはありません。(苦笑)日本語はドイツにいる時に独学しました。いつ日本語を本当に学ぶのですか、という質問の方が良いのではないですか?(笑)」

―いやいや(笑)ちなみに日本語で好きな言葉はありますか?
「なんだろう・・・。『なるほど』かなぁ?」

―深いですね。ところで、最近興味があることはありますか?
「なるほど。(笑)難しい質問だなぁ。社会音声学ですかね。あとはコーパス言語学かな。」

―専門分野はなんでしょうか?
「社会言語学と歴史、文化社会学ですね。」

―今受け持っている授業はなんですか?
「二年生の総合、会話、中級ドイツ語リーディングとドイツ語講読(社会)、ドイツ歴史文化研究と演習になります。」

―簡単に今までの経歴を教えてください。
「大学へ入る前に、兵役の代わりに1年間病院で働きました。その後マインツ大学に入学し、ハイデルベルク大学で博士号を取っています。卒業後はチューリッヒ大学、フライブルク大学で教授として勤務していました。ちなみに、教授資格申請論文はチューリッヒ大学で書きました。」

―なぜ日本へ、獨協大学へ来られたのですか?

「もちろん日本、東京が好きだからです。日本の大学のシステムもとても気に入っていますし、獨協大学はドイツ語教育に力を入れていますからね。」

―日本のどんなところが好きですか?
「満員電車かな。ご近所付き合いも楽しいですよ。あと梅雨が好きですね。(笑)実は僕はまだ梅雨という時期を経験したことがないので楽しみです。」

―梅雨ですか(笑)なかなか興味深いですね。それでは、獨協大学のどんなところが好きですか?
「きちんと整備運営されているし、ドイツ語教育の長い歴史があるのが良いですね。ドイツ語学科の規模が大きく、優秀な同僚に恵まれているのも嬉しいですね。」

―ちなみに獨協生はどうでしょう?
「日本人の学生はとても受身だと言われていますけど、全く違いましたね。とても積極的で嬉しく思っています。」

―ありがとうございます。それでは獨協大学を色に例えるなら何色でしょう?
「おもしろい質問だね。うーん・・・。洋服に例えてもいいかな?」

―もちろんいいですよ。
「それじゃあ、あたたかいコートですかね。」

―それはまたなぜでしょう?
「教育の環境がきちんと整っているのが、あたたかく守られている感じと似ているからかなぁ。」

―これもまた深いですね。それでは次の質問です。今までに様々な国に住んでいらしたとおっしゃっておられましたが、それぞれの国の教育や学生のモチベーションといったものに違いはありましたか?
「違いはなかったと思います。本来そのような違いはあるべきではないと考えているので。しかし、もしあるとするならば、それは個人個人のモチベーションが影響していると思います。何にしても学問というものは、自分から積極的に学ばなければ何も起きないと思いますから。」

―肝に銘じておきます(苦笑)では次に、今後の目標などがありましたらお聞かせください。
「きちんとした、綺麗な日本語を話せるようになりたいです。あとは、学生がきちんとした綺麗なドイツ語を話せるようになってくれることかな。」

―頑張ってください!それでは最後に何か一言お願いします。

「キャンパスで見かけたら声をかけてください。どうぞよろしくお願いします!」

(インタビュー&和訳:本学科ドイツ語既習クラス2年生)

他人の人生―パトリック・ハインリヒの今。


 他の人と同じように、パトリック・ハインリヒはさまざまな側面を持つ人間です。幸いにもパトリック・ハインリヒに関するこのブログの記事は自分で書くので、彼はここで口を極めて褒めちぎられるしかなく、良からぬ側面は公表されません。ここまではこれでいいとしましょう。

 ところで、私はプファルツ出身で、それも良いことであります。とりわけ、プファルツのお陰で私は、方言を喋れるという恩恵を被っています。方言はいつでも良いものです。それに私は若いころから多言語を用いています。私の母はフランス人で、彼女は今アメリカに住んでいます。私の父はドイツ人で、今はフランスに住んでいます。私の姉妹はアメリカ人で、私の妻はイタリア人、そして私の息子は日本人です。私の親友は沖縄の人うちなーんちゅ。私の甥はメキシコ人。皆さんが信じようが信じまいが、これはすべて真実なのです。私たちはグローバルな世界に暮らし、それは特に私に当てはまるのです。

 国際化やグローバル化が言語にどのように作用するかということは、研究者たる私の大きな関心事です。私はとても秩序を愛する人間ですから、その点で特に言語の改革に興味があります。私はこのテーマについてすでにずっと以前から取り組んでいるので、私は皆さんに言語の未来について少しだけならこっそり教えることもできます。未来には言語的なことに関してはより無秩序になるでしょうが、しかし“無秩序”は秩序の特殊な形にすぎないのです。無秩序の中に秩序を認めてしまうと、それはまったく“無秩序”ではないように思われます。私の研究において、そして私の人生においての共通の座右の銘は、“Everything you know is wrong”であります。言い換えれば、何事からも常に新たなパースペクティブを得ることができるのです。私はこのことを常に仕事の中で、そして私の生活の中で実行に移すことを心掛けています。定まった確かな事柄ばかりに囲まれているわけではないことは、とても元気が出ることだと私は思います。すべてが素晴らしく聴こえるでしょう?考えてもみてください、これは全て、パトリック・ハインリヒが書いたことなんです。皆さんが知っていることは全て、間違っている可能性があるということを忘れないで頂きたい。でもそれは正しいという可能性もあるのです。

 そうそう、私の趣味はマラソン、読書、ビールを飲むこと、そしてカラオケを歌うことかな?逆に、満員電車は大嫌いですし(日本)、ザウアークラウト(ドイツ)も嫌いです。それはそうと、皆さんは私の同僚であるシャルロート氏をもう御存知でしょうか?

(和訳:T.T) 

2010年6月14日月曜日

駐日ドイツ連邦共和国大使を訪ねて


 去る4月16日、駐日ドイツ連邦共和国大使シュタンツェル博士ご夫妻のお招きで、日本国内の大学・大学院でドイツ学(Germanistik)関連の学術研究に従事する学生が集う懇親会(Gartenfest)に出席して参りました。会場は東京都港区のドイツ連邦共和国大使公邸でした。関係の研究に励む人々の多くの熱気が会場一杯を包みました。
 大使夫妻の挨拶で開宴された会は、食事、飲み物、音楽演奏等、優雅な雰囲気で執り行われました。白色を基調とした公邸の建物そのものが、東京にありながらも実に見事にドイツ流の佇まいを成しており、まるでドイツに居るかのような美しい時空間を楽しませていただいた次第です。会の終わり、お見送りにいらした大使に、ご招待に対する心からの御礼と、ご多忙ゆえどうか御健康にお気を付け下さいという旨申し上げる機会がございました。あなたも学業研究で忙しいことでしょう、御健康に気を付けて、と温かい握手を頂いたことが、私の嬉しい思い出でございます。

シュタンツェル駐日ドイツ連邦共和国大使に、改めて、深い感謝と敬意を表します。

(大学院外国語学研究科博士後期課程 吉田 達彦)






本学院生もドイツ大使(中央)と大使館員の方と記念写真。





早稲田大学高等学院吹奏楽部による生演奏もありました。

独語独文学専攻大学生のためのガーデンパーティーの模様はドイツ大使館HP内でも紹介されています。

2010年6月4日金曜日

ニュース紹介「受難劇にも不況の波」

German passion play hit by recession

ひょんなことから、この夏、オーバーアマガウで十年に一度に上演されている受難劇 [Passionsspiele, passion play] を見に行くことになりました。BBCニュースによると、世界の経済危機の影響が受難劇にも及んでいるそうです。十年前は主に北米とイギリスから50万人もの人が訪れていたのに、今年は不況でチケットの売り上げが20パーセントほど落ちており、将来的には中国、インド、ブラジルなどから観客を集めようと、劇も観客の多様化に合わせて書きかえられているそうです。劇は人口5千人の村のおよそ半数の住民によって演じられています。今年は初めてトルコ系の住民も舞台に参加しているそうです。

つい最近までこの劇について全く知りませんでしたが、私の周りだけでも三人ほどの日本人が行くので、日本人の割合も意外と高いのかもしれませんね。詳しくはHPをどうぞ。(日本語で検索すると、ツアーのサイトが出てきます。)


M.T.

2010年5月29日土曜日

続『戦争の彼方』

以前ご紹介した『戦争の彼方』、好評につき9月に再上映されることとなりました。

しかも、ルーツ・ベッカーマン監督の処女長編『ウィーンへ帰還(WIEN RETOUR)』とともに!

日時:2010年9月11日(土)
    14:30~『戦争の彼方』、18:00~『ウィーンへの帰還』
チケット:各上映800円
場所:川崎市国際交流センターホール(264席)
(東急東横線・東急目黒線「元住吉駅」下車徒歩10~12分)


~~『ウィーンへの帰還』~~
オーストリア映画
1983年カラー・89分・ドイツ語(日本語字幕)
監督:ルーツ・ベッカーマン
制作:ルーツ・ベッカーマンプロダクション
日本語字幕:ヨハンナ比較文化研究所

あらすじ:1909年生まれのユダヤ人少年フランツは1924年、一家と共に親戚をたよってドイツからウィーンに移り住みます。ユダヤ人の多く住むウィーン2区で、彼は家族に囲まれてのびのびと暮らし、大学に進学し、ドナウ川で泳ぎ、恋をします。一方、時代は確実にファシズムへと向かっていきました。オーストリア併合に抵抗する学生や労働者、ユダヤ人弾圧で離散する家族・・・。
この映画は1924年から1934年までのウィーンの様子をフランツ少年の目線で描いています。当時の珍しいフィルムも多数使われており、戦前のウィーンの様子などを見ることができます。
(HPより)

詳しくはこちら

P.S.コメント、ありがとうございました!
N.M.

2010年5月21日金曜日

ドイツのコメディ映画~"Der Schuh des Manitu"~

ドイツ映画は世界大戦が舞台の映画やヒューマン・ドラマが多いと思われることも少なくないようですが、今回ご紹介するのはドイツの西部劇コメディ映画 "Der Schuh des Manitu" (独題:マニトの靴 邦題:荒野のマニト)です。
ドイツで2001年に公開されたこの映画は当時、ドイツ映画史上最高の興行成績約80億円を記録、初日動員数歴代第1位を樹立し、 公開中に約1,200万人の観客を動員し大ヒットした作品です。
しかし日本では短期間の単館上映でしたので、見に行く機会を逃した方も多いと思います。日本のコメディとはまた一味違うドイツ風コメディを、監督・製作・脚本・主演+もう一役をこなしたミヒャエル・ブリー・ヘルビヒがこの映画に詰め込みました。 ドイツ語のDialekt(方言:この映画ではバイエルン地方の方言が飛び交っています)や言葉遊びやWitz(冗談・しゃれ・ジョーク)を楽しんでみましょう。

あらすじ:  カウボーイのレインジャーと“血の兄弟”の契りを交わしたアパッチ族の酋長アバハチは、ショショーニ族から金を借り、不動産業者のサンタ・マリアから一族の憩いの場にと酒場を購入する。しかしサンタ・マリアの正体は実は詐欺師で、手に入れたはずの酒場も“偽物”。騙されたアバハチは銃撃戦の末、結局サンタ・マリアに金を持ち逃げされてしまう。ショショーニ族に借金を返済するためにアバハチとレインジャーは、アバハチの祖父が遺した宝“マニトの靴”を探しに行くが…。 その過程で加わる一癖も二癖もある仲間達の活躍も必見!

?ドイツなのになぜ西部劇?

ドイツ人がなぜウエスタン・カントリーのコメディ映画を作るのだろうと思われるかもしれません。

しかしドイツの人たちにとって西部劇の冒険譚は実は身近なものなのです。
それは カール・マイ(Karl Friedrich May, 1842-1912)というドイツの小説家がアメリカ西部を舞台にネイティブ・アメリカンを主人公とした多くの冒険小説を発表し、人気を博したからです。 『ヴィネトゥの冒険 -アパッチの若き勇者』(原題: "Winnetou"1893)をはじめ、カール・マイが書いた作品の多くは今日にいたるまでドイツ青少年の愛読書となり、多数映画化もされています。
たとえば『ヴィネトゥの冒険』の内容は
“アメリカ西部を舞台に、アパッチ族の若き酋長ヴィネトゥと、ドイツから渡ってきた勇敢な青年技師シャッターハンドが互いに義兄弟として結ばれ、正義の実現のために邁進し、悪漢ザンターに立ち向かうシリアスな冒険小説”――そう、今回ご紹介した"Der Schuh des Manitu" は、このカール・マイの小説から多くのヒントを得たもので、ドイツ国民にとってはすでに馴染みの設定なのです。
カール・マイの作品を読んでから"Der Schuh des Manitu"を観ると、劇中のところどころにマイの作品のパロディが見られるので面白さも倍増のはず。"Der Schuh des Manitu" には写真のマイにそっくりの飲んだくれおじさんも登場しますが、果たしてそれは…?


『ヴィネトゥの冒険』をはじめカール・マイの作品は本学図書館にも置いてあります。
ドイツ発、ウェスタン・ロマンの世界へようこそ・・・!


2010年5月7日金曜日

〜日比谷オクトーバーフェスト2010のご案内〜

前回はワインのお祭りを紹介しましたが‥
今度はドイツ最大のビール祭り、オクトーバーフェストが5月、東京の日比谷にやってきます!

OKTOBERFEST 2010(日比谷)
◆開催期間2010年5月21日(金)〜5月30日(日)
月~土12:00~21:30 11:00~21:00(※21日のみ17:00オープン)
◆会場:日比谷公園 噴水広場
◆入場料:無料(ただし飲食は有料)

日比谷オクトーバーフェスト2010日本公式サイト

数種類のドイツビールやドイツソーセージ、ドイツの軽食が楽しめます。
日に数回、南ドイツの楽団の演奏もあるそうです。
「乾杯の歌を覚えて会場に行けば楽しさも倍増のはず!

♪ドイツのオクトーバーフェストってどんなお祭り?♪
本場ドイツでは
毎年秋にミュンヘンで開催されている、世界最大のビール祭りオクトーバーフェスト。
ミュンヘン市内の6つの醸造会社が14のビールテントを出し、来場客はその中でビール片手に陽気に歌って踊ってお喋りをして‥‥。南ドイツの民俗衣装Dirndl(きっちりとした胴衣とゆるやかなギャザースカートからなるバイエルンやオーストリアの女性の民俗衣装)を着た売り子さんが両手一杯にビールジョッキを持ってそれを器用に運ぶ光景も見物です。
東京ドーム9個分もの広大な会場には、ビールテント以外にも小さな屋台や移動遊園地が並び、大人から子供まで丸一日楽しめる大きなお祭りです。以前は朝から晩まで流れっぱなしだった会場の音楽も、2005年からは“高齢者や家族連れも楽しめるように”と午後6時までは伝統的な吹奏楽演奏等の静かな音楽のみが流され、その音量は85デジベル以下と定められています。午後6時を過ぎると、Schlagerと呼ばれるドイツのヒットソングや流行のポップミュージック、懐メロ等が賑やかに流れ、ビールテントの中はより盛り上がります。

本場のお祭りの来場者は毎年なんと650万人。開催期間中600万杯以上のビールが飲まれ、30万本以上のソーセージが消費されるそうです。1810年から続いていて今年200周年を迎える、歴史あるお祭りでもあります。こうなるとやはりビールやソーセージは世界に誇れる代表すべきドイツ文化ですね。
本国ドイツでは今年は9月18日〜10月3日に開催されます。

まずは日本で体験、Prost(乾杯)!



本場ミュンヘンのオクトーバーフェストはこんな雰囲気です。

"EU Film Days 2010"〜ドイツ映画を観てみよう〜


2010年5月28日–6月20日に東京国立近代美術館フィルムセンターにて"EU Film Days 2010" が開催されます。


EU加盟国27カ国中22カ国の映画作品が期間中に上映され、普段はなかなか触れる機会のない様々なヨーロッパ文化やヨーロッパの生活を、作品を通して垣間みることができます。

ドイツ映画は、第58回ベルリン国際映画祭に出品された「HANAMI」が上映されます。
上映日程は下記の通りです。

『HANAMI』(独題:"Kirschblüten")
2008年製作ドイツ映画、126分、ドイツ語(日本語・英語字幕付)監督:ドリス・デリエ
内容:
ドイツを代表する女性監督デリエが、小津安二郎監督の『東京物語』から着想を得て撮った作品。妻を亡くした初老のドイツ人男性が桜の季節の日本を訪れ、ひとりの少女と出会って魂を救済される。

場所:東京国立近代美術館フィルムセンター
6月2日(水)  15:00
6月13日(日) 13:00

入場料: 500円(一般)/ 300円(高校・大学生・シニア)/ 100円(小・中学生)
キャンパスメンバーズは無料★
(獨協大生は学生証を提示してキャンパスメンバーズであることを伝えましょう。無料で鑑賞できます。)

ドイツ本国で高く評価された、静かな感動を得られる作品です。
ドイツと日本の文化や感性の交差点を鑑賞してみましょう。

映画祭のHPでは各参加国の作品の詳細と上映日程を確認することができます。

映画のHP(ドイツ語):「HANAMI」(独題:"Kirschblüten")
映画祭HP(日本語) :"EU Film Days 2010"

2010年5月2日日曜日

タマラ・ド・レンピッカ展

 美術のゼミ(担当:青山)では、ゼミ生が現在東京ならびに近県で開催中の展覧会に足を運び、その内容紹介を授業の冒頭ですることにしています。既に2010年度のゼミが始まって四回ほどたちましたが、一人の学生さんが2010年5月9日(日)まで渋谷のBunkamuraで開催中のポーランド出身の女流画家タマラ・ド・レンピッカ展を紹介してくれました。世界中の個人コレクションや美術館に散らばっているレンピッカの作品が一同に介した興味深い展覧会なので、改めてここで簡単にご紹介したいと思います。
 ポーランドの富裕な家庭に生まれたタマラ・ド・レンピッカ(1898-1980年)(写真左)は、ロシア革命を機にパリに亡命し、そこで1920年代から30年代にかけて華やかな社交界を舞台に活躍したアール・デコの画家です。今回の展覧会ではその卓抜した肖像画家としての技量、写真が新しいメディアとなった時代に自らモデルもつとめた写真の数々、今でいうところの女性のファッション誌のカバーを描いた作品、鬱病を煩ってから描いた宗教的な主題の作品から、晩年ヨーロッパから移った新大陸で描いた静物画まで、幅広い時代の代表作を網羅的に見ることができます。

 ここで最も会場で印象に残った作品を一点だけご紹介しましょう。それは下に見られる、1927年に制作された『赤いチュニカ』(ニューヨーク、キャロライン・ヒルシュ所蔵)という大きな油彩画(73×116cm)です。


レンピッカは当時の流行最先端のファッションを身につけたモダンな女性人物像を数多く描きましたが、その構図や技法の基盤の一つはイタリアの古典絵画にあります。彼女の恋人でもあったと言われるラファエラを描いたこの作品も、構図はヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノの1538年の『ウルビーノのヴィーナス像』(ウフィツィ美術館所蔵)以来、ゴヤ、マネ、モディリアーニ等によっても何度も繰り返された、横たわり、観者の方を挑発的に見る女性人物像のポーズの影響が見られます。しかし、ここにはそれまでの男性たちが描いた女性像たちとは異なり、何と堂々とした体躯の生身の女性が描かれていることでしょうか!レンピッカが1920年代に制作した肖像画の特徴として、画面の枠一杯に人物を入れて量塊性とムーヴマンを強調する表現が見られます。この作品でも灰色を基調とした背景から、たった一色、赤をまとった女性の白い肉体が画面から溢れ出してくるような迫力があり、肌の質感、布の質感が過去の巨匠たちと同様見事に描き分けられています。それにしても画家が、自分自身の性である女の肉体を堂々と礼賛している様は圧巻です。
 社交界の花としてのレンピッカが、マルレーネ・ディートリヒ(1901-1992年)のように気取った姿でポーズを取る多くの写真や映像が残されていますが、そうした彼女自身の虚飾に満ちた姿だけではなく、彼女が描いた油彩画のこの女性像の中にも、1920年代を既に真に自由に生きた、才能あふれる女性の力強い自画像が隠されているような気がします。この迫力には同性としてあっぱれ!と拍手を送りたくなりました。

A. A

2010年4月29日木曜日

~ヴルストマルクト開催中~

2010年4月28日(水)~5月9日(日)
のゴールデン・ウィーク期間中、
六本木にある東京ミッドタウンの芝生広場で
世界最大級のワイン祭“ヴルストマルクト”が開催されています。

どんなお祭りなのか百聞は一見に如かず、ワインにつられて行ってまいりました。


東京ミッドタウン内から見えるお祭りの様子…
祝日とあって多くの来場者で賑わっていました。
目指すワインは茶色い看板の下です。


芝生広場の奥右手がワイン売り場、左手の売り場では
ドイツソーセージやドイツパンやザウアークラウトやジャガイモ…
ドイツの軽食がズラリ。


注文しましたのは、ワインショーレ・シルヴァーナ 白。
シルヴァーナ種のブドウで作られた白ワインを炭酸で割った飲み物です。
爽やかでとても飲みやすい。
天気の良い青空の下で飲むとまた一段と美味しいのです…。
お手頃なワインショーレから高級デザートワインであるリースリング アウスレーゼまで、23種類ものドイツワインが取り揃えられています。
会場で配布されているメニューリストと睨めっこして、じっくり選んでみましょう。

お酒が苦手な方、飲んではいけない方はドイツ的軽食をどうぞ。
写真はドイツソーセージセットと茹でジャガイモ。
特にあっさりしていて柔らかな白ソーセージはドイツならではのお味。
素朴な味のジャーマンポテトもホクホクと美味しく頂きました。
この他にもカリーヴルストやスパゲティーアイス、ザウアークラウト等、普段はなかなか味わえないドイツの軽食を楽しめます。

デーブル席やテントもありましたが、芝生の上で気持ち良さそうに寛ぎながらワインや軽食を楽しむ来場者や家族連れが目立ちました。
予約済みのテーブル席に“Stammtisch”(常客の集まる会合)の張り紙が貼ってあったのもまたドイツ的。
夜はアコーディオニストによる演奏もあるそうです。


●開催期間&時間●
2010年4月28日(水)~5月9日(日)
(平日)16:00~22:00 ※L.O. 21:30
(土・日・祝)12:00~22:00 ※L.O. 21:30

参考までに、本場ドイツのWurstmarktの公式サイトはこちら↓
http://www.duerkheimer-wurstmarkt.de/